2023/05/10
院長より
コロナ感染症が5類扱いとなり、3年間以上に及ぶコロナ禍は一段落したと言えます。コロナウィルスによる影響はこれからも続きますが、今までの対応の適否を私が勝手に総括してみます。
コロナウィルスにより多くの方々が亡くなったことは事実ですが、日本国民の死者の多くの原因がコロナ感染だった訳ではなく、コロナ感染は死亡原因としては大きなウエイトにはなりませんでした。コロナ禍発生以来、インフルエンザを含めてコロナ以外の感染症は軒並み従来よりも大幅に少ない社会となりました。つまり、感染対策は明らかに奏功しており、なんと2020年からは各種感染症が例年よりも大幅に少ない社会を過ごしたことになり、大いに学ぶべき点です。また、在宅勤務の経験やweb面談やweb会議など本来進むべき方向への加速的な変化があったことは利点であり、見逃せません。
コロナ禍によるダメージとして、大幅な超過死亡の増加があります。原因は明らかではありませんが、体調不良者の自粛(受診抑制も関与)による病状悪化や、健康診断受診の自粛による致死的な疾患の悪化が大きいと思います。また、日本経済状態の悪化や、将来世代への借金の増大など多くのダメージを受けました。こう振り返ってみると、私はコロナ禍によるダメージのほとんどが人災だったと総括します。これらのダメージの程度が世界の国々よりも日本がより深刻だったことも人災だったことを裏付けます。このことが正しく反省できるかどうかが、日本の将来を左右するとも思いますが、心配です。