2020/01/29
院長より
記録によると糖尿病はわが国では少なくとも平安時代には存在していたようです。以後、1921年にインスリンが発見されるまでは糖尿病は発症後数年で死に至る病として恐れられていました。当時は糖尿病に対する治療手段はほとんどなく、なにも食べない飢餓療法をすると多少の延命効果があるといった程度でした。糖尿病による死を待つか、飢餓による死を待つかの選択だったようです。その中でインスリンが発見され、インスリン注射が糖尿病患者を死の淵から救う貴重な薬剤となりました。
現在ではインスリンも随分使いやすくなり、経口剤も優れたものが登場しています。しかし飢餓療法まででなくとも糖尿病には食事療法が重要であるという点は現在でも変わっていません。