2024/11/01
院長より
病気の中には予防不可能なものもありますが、多くの病気は予防可能です。例えば50年前には糖尿病は珍しい病気でした。現在では成人の5人に1人は糖尿病もしくは予備軍となりました。その原因が生活習慣の変化にあることは明らかですが、最も影響しているのが運動量の減少と言われています。つまり、運動量を維持していれば糖尿病は予防できる病気だと推察できます。自動車を手放して歩いて生活して予防するのも一法ですが、日々の運動量は意識的に運動することで補えると思います。さらに、糖尿病になってから運動するのではなく、予防を意識して日本国民全員が運動することが重要です。
以上のことは10年以上前からわかっていたことですが、あえて今お伝えする理由は医療費の観点から予防の重要性が飛躍的に高まっているからです。私たちは日本が誇る健康保険制度によって医療が受けられる形ですが、この健康保険制度は近いうちに消滅するか内容が大きく変わることになります。その時には病気の治療には多額の自己負担が必要になるかもしれません。つまり、将来の家計を考えても病気を発症させないことが重要となります。但し病気が発症しているのに、適切な薬を飲まないことを選択する人がいます。高血圧症・脂質異常症をはじめ多くの疾患では、薬を服用することで心臓病・腎臓病などの合併症の発症率や死亡率までもが改善することが証明されています。今ならばまだ安価で薬を服用できるので、薬をもらって合併症だけでも予防することは重要です。